3_empress

意味

正位置

  • 繁栄、成果
  • 安楽な生活
  • 愛の営み、妊娠・出産

逆位置

  • 過剰生産による金欠
  • 惰性
  • 多情、乱れた異性関係

絵柄の解説

女性的な特徴のよく現れた札です。
女教皇の後ろにかかっていた垂れ幕同様、彼女の着る衣には果実の模様が描かれています。これは女性と豊穣を表すものです。

彼女の足元には金星(♀)のマークが描かれた盾があります。金星は西洋占星術で愛とエロスの象徴です。
盾は騎士の持ち物でもあり、この札からは「愛の騎士」的側面を解釈できます。盾は受け止める力を表し、女性の持つ力強さがうかがえる札です。

彼女の被った王冠には十二の星が散りばめられています。これは彼女が黄道十二宮の母であることと彼女が宇宙の産みの親であることの象徴です。
彼女の後ろに見える生い茂る緑と滝、それが流れ込む肥沃な大地は、全て彼女が生み出したものです。

麦穂など作物は古代より地母神と結びつけられてきました。「女帝」は地母神でもあり、女性原理を示しています。
女性原理とは、子を産み、愛を注ぎ、慈しむ力、「生殖能力」のことです。
彼女の持つ王笏は王位、王権、男根を示します。女性が子どもを産むには子種が必要であり、女性の力は男性の力があってはじめて発揮されることの象徴です。

愛には、男女の性愛に基づく「エロス」と「慈悲、慈愛の精神」を表す「アガペー」の二つがあります。
「女帝」にはこの二つの愛が融合して描かれています。

札にはローマ数字のⅢが割り当てられています。Ⅲは正三角形を表し、二つの対立物が融合した時に新たな生命が誕生するということを表しています。ここにも男女が一体となって子どもが作られることが表されています。

解釈

正位置

「女帝」は女性原理の象徴で、子どもを産み、愛情豊かに育むことや生産性などを表します。
ただし、子どもを産むことは女性一人ではできません。男性の力が必要です。
「女帝」は「愛を注ぎ受け入れること」とも解釈できます。
また、セクシャルな関係を示し出ることもあります。

物事の状態として解釈すると、安定感のある状態を表します。
物質的、金銭面での豊かさを表す札でもあります

物事が解決する時にも現れる札です。
この札が出た時は、対立物が結合し新たな局面を迎えたことを表します。
ただし、事前に種をまかないことには、実りはおとずれません。
何もせずに得られることはないことに気をつけましょう。

おおらかに全てを受け入れる気持ちで人と接することを忘れないようにしましょう。

逆位置

悪い意味での女性原理が目立つようになります。
受け身であるせいで主導権を握れない、生産性が悪く過労、過剰生産、浪費といった面が目立つようになります。

人物としては女性特有の甘え、女々しさ、乱れた性愛、愛欲に溺れた性格、惰性的な部分を表します。
一方的な愛情、異性関係の乱れや、過保護、散財、見栄や虚栄心も意味します。

恋愛関係

正位置

片思いの場合

思いがけず告白のチャンスが到来します。その場の雰囲気に流され、男女の仲に発展することも。
自分の意志をしっかりと持つようにしましょう。

交際中の場合

二人の仲は親密度を増し、一体感を味わえます。
愛し愛される喜びを感じ、幸福な時を過ごせるでしょう。
妊娠の可能性を伝えていることもあります。

逆位置

片思いの場合

停滞気味です。一方的な愛情で相手になかなか気づいてもらえないでしょう。
また、媚びすぎ、甘えすぎといった態度が裏目にでることも。
自立することを目指しましょう。

交際中の場合

倦怠期にはいっていませんか? または愛情を押し付け過ぎていませんか?
どちらかが他の異性に興味を持っている可能性も。よそ見はしないようにしましょう。

対人関係

正位置

対人関係で問題があった場合は、お互いの立場を尊重しつつ解決することでしょう。

人と関わる時は、相手を受け入れることを大切にしましょう。
自分が変わることで相手も変わっていきます。

逆位置

一方的な感情の押し付けになっていませんか?
また、相手に甘えすぎ頼り過ぎる関係になっていませんか。
人間関係は五分五分が大切です。自立した関係を目指しましょう。